おかげさまで今年も多くのご仏縁を頂戴いたしまして無事に終えることができました。
ご門徒の皆様にはいつもお寺護持の為にお足を運び何かとご尽力いただきますこと心より感謝申し上げます。
私は毎年春彼岸の頃、待ちかねた暖かい陽光に浴すると、まるではるか彼方の彼岸から仏様の光明が届いてきたかのように感じます。
浄土真宗では、阿弥陀さまのお覚りの世界であるお浄土こそが彼岸であり、私たちが生まれ往き直ちに覚りに導かれる世界なのです。
阿弥陀さまの光明には三つの働き、「照育」(しょういく)「破闇」(はあん)「摂取」(せっしゅ)があるといわれます。
「照育」とは草花を照らす命を育む陽光のように私たちも仏さまに照らし育てられ、その暖かい光明で私たちを照らしさまざまなご縁を通して仏法を聞き手を合わす身に育てあげようとされることです。
「破闇」とは常に虚しい迷い暗闇の中にいる私たちを、たった一つの真実の灯りである南無阿弥陀仏によってたちまちに暗闇が破られてしまい覚りに導かれることです。
そして最後に「摂取」はくじけたり嘆いたりしてばかりの私たちを、あたたかく抱きかかえて摂め取り勇気つけてくださるのです。
親鸞聖人はご和讃でこう述べられてます。
煩悩にまなこさへられて
摂取の光明みざれども
大悲ものうきことなくて
つねにわが身をてらすなり
いつも煩悩に振り回されている私たちでは決して光明は見えません。しかし仏さまの方は飽くことなく怠ることなく常に私たちの心身を照らし続けてくださるのです。
摂取の光明に抱かれていることに気付くとき、前を向いて歩きだす力がわいてくるのです。
春彼岸の季節は暖かい陽光に身を包まれながら、阿弥陀さまの光明のお徳を十分に味合わせていただきたいものですね。
ご門徒皆様方にはくれぐれもお体をご自愛くださいませ。
これからも真のお念仏の道を共に歩んでいきましょう。
今年も春のお彼岸をさせていただきますのでお知らせ致します。
日時 3月21日(木) 10時半~
場所 専行寺本坊 本堂にて
春といってもお寺の本堂はとても冷えます。どうぞ暖かくしてお越しくださいませ。
皆さまのお越しをお待ち申し上げております。